ダブル・ファンタジー by 村山由佳

自ら本を買ったのは何年ぶりだろう。いつも飛行機の中ではがっつり寝るのが通常なのだが、今回は珍しくも本を読みたくなった。といっても何を買っていいのかわからない。飛行場の本屋をうろうろするして勘で手に取ったのは「ダブル・ファンタジー」。村山由佳の本は昔、「天使の卵」を薦められて読み、まさにピュアな気持ちになったのを覚えている。村山由佳の文字となんとなくの勘で買ってみた本だったが、別の意味でピュアな感覚を覚えた。本能という名のピュア。あたしとしては本当に珍しくハードカバー約500ページを一気に読んでしまった。


もう1つ本を読んで思ったこと。文字、言葉というのは時々すごい。時々の時は言葉が自分と「はまった」とき。だからいつもじゃない。「はまる」というのは、言葉がつたないあたしにとって、「こーいう感じ。あーいう感じ。」の曖昧さをうまい具合に表現してくれるもの。その「はまる」ことができるのはとても偶然であり、有難いのだ。